| 4.2 災害時対応 |
| 4.2.1 避 難 |
ビル・事業所の被災状況により、最悪の場合はそのビル・事業所の使用が不可能となり、自主避難を余儀なくされます。また、行政から避難勧告・避難指示が発令された場合も同様です。余震が発生した場合などの閉じ込めを避けるため、避難する場合は、電気、ガスを遮断し、エレベータ等の利用は避けます。
先ず一時避難場所を事前に決めておいて、ここに集合して人数確認後、広域避難場所へ移動するのが原則ですが、広域避難場所が近い場合にはこちらに集合します。さらに、復旧困難で避難が長期になる場合は避難所へ移動します。 |
一時避難場所は、一時的に避難できる広場、公園、空き地などにします。
広域避難場所は、地震発生時に大火災の危険があるときに避難する場所で、大規模公園や大規模な耐火建物地域が東京都により指定されています。
避難所は住居を失った人や、被害を受ける恐れのある人を一時的に保護するための場所で、小中学校等の公共施設が指定されています。「防災拠点」とも呼ばれて、被災者の生活の場だけではなく、医療救護活動、救援資材(食料、水、生活必需品等)の備蓄、情報収集・提供の拠点となります。
避難場所、給水拠点等については、東京都の防災ページ、各区市町村のホームページを参照してください。 |
| 社用で外出中に被災した場合や、現業部門の社員が移動中または客先で被災した場合も考慮して、避難計画の策定と周知徹底が重要なポイントとなります。 |
| 4.2.2 備蓄品の確認、生活環境の整備 |
被災した場合、まずはトイレ、次に水・食料の順で必要となります。
備蓄品の状態を確認して、真っ先に必要となる資材(簡易トイレ、救護資材、飲料水等)を取り出します。簡易トイレを設置、調理場の確保、給水の準備を行い、残留生活に必要な環境を整備します。
簡易トイレの設置の際にはプライバシー保護のため、ダンボール、ビニールシート、毛布などを利用して間仕切りを作ります。
|
| 4.2.3 救 護 |
| 地震の発生により医療機関もまた被災者となり、傷病者の受け入れが困難になることが考えられます。また、傷病者の多数発生や道路の破損状況により、救急車両も個別対応が難しくなります。このような事態に備えてできるだけ多くの従業員が応急手当の基礎知識と実技を習得しておく必要があります。 |
| 応急手当の講習には、応急救護講習、普通救命講習、上級救命講習などがあり、都内各消防署または(財)東京救急協会で受けられます。各コースの内容と受講場所は下記のとおりです。詳細は東京消防庁、(財)東京救急協会へお問い合せください。 |
| 表4.4 応急手当講習 |
| 講習の種別 |
講習の内容 |
講習場所 |
| 都内各消防署
| 東京救急協会
|
| 応急救護講習 |
けがの手当などを学ぶコース |
○ |
× |
| 普通救命講習 |
心肺蘇生、自動体外式除細動器(AED)の使用方法、窒息の手当、止血の方法などを学ぶコース |
○ |
○ |
| 上級救命講習 |
普通救命講習(自動体外式除細動器業務従事者)の内容に、傷病者管理、外傷の応急手当、搬送法を加えたコース |
× |
○ |
|
 |
また、災害発生時には、災害現場、救護所、医療機関到着など、必要に応じてトリアージが実施されます。
トリアージの意義は、多数の傷病者が一度に発生する特殊な状況下で、現存する限られた医療資源(医療スタッフ、医薬品等)を最大に活用して、まず助かる可能性のある傷病者を確実に救い、可能な限り多数の傷病者の治療を行うために、傷病者の緊急度や重症度に応じて分類し、治療や搬送の優先順位を決めます。救助、応急処置、搬送、医療機関での治療の際に行います。 |
| トリアージを実施する際には、傷病の緊急性、重症度に応じて、以下の4区分(表4.5)に分類されます。また、必要事項を記入したトリアージタッグがつけられます。トリアージタッグは原則として、右手首関節部につけます。 |
| 表4.5 トリアージのカテゴリ |
| 順位 |
分類 |
識別色 トリアージ区分 |
傷病等の状態 |
| 第1順位 |
最優先治療群 (重症群) |
赤色 (T) |
|
・直ちに処置を行えば、救命が可能な者 |
| 第2順位 |
非緊急治療群 (中等症群) |
黄色 (U) |
|
・多少治療の時間が遅れても生命には危険がない者
・基本的には、バイタルサインが安定している者 |
| 第3順位 |
軽処置群 (軽症群) |
緑色 (V) |
|
・上記以外の軽易な傷病で、ほとんど専門医の治療を必要としない者 |
| 第4順位 |
不処置群 (死亡群) |
黒色 (0) |
|
・既に死亡している者、または直ちに処置を行っても明らかに救命が不可能な者 |
|
| 出典:災害時医療救護活用マニュアル 社団法人横須賀市医師会 |
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| 図4.1 トリアージタッグ |
 |
| クリックすると大きい画面で表示できます。 |
 |
| 4.2.4 安否確認 |
外出中の社員の安否確認、また、社員家族の安否の確認・連絡も被災時の必須事項です。事前に確認のための手段・利用手順を決めておき、社員全員に周知徹底しておく必要があります。非常事態ですので、特定の確認手段のみでなく複数の確認手段を考えておきます。
外出先が明確な社員の場合は、徒歩または自転車で確認に行くという方法もあります。
|
地震発生後は、公衆電話(災害時にNTTが避難所などに設置する特設公衆電話を含む)および防災用を除いて、一般の加入電話や携帯電話は通話規制のためつながりにくくなります。したがって、通常使用している通信手段のみでなく、公衆電話・インターネットメールなどの利用も検討しておきます。
最も簡便で確実な確認手段として、NTTが提供している災害用伝言ダイアル(171)や携帯電話各社が提供している災害用伝言板サービスがあります。いずれも被災地への通話がつながりにくい状況になった場合にサービスが開始され、安否情報の録音・再生、登録・確認ができます。 |
最も簡便で確実な確認手段として、NTTが提供している災害用伝言ダイアル(171)や携帯電話各社が提供している災害用伝言板サービスがあります。いずれも被災地への通話がつながりにくい状況になった場合にサービスが開始され、安否情報の録音・再生、登録・確認ができます。
災害用伝言ダイアルでは1伝言あたり30秒以内の音声録音ができ、48時間保存されます。電話番号あたり1〜10伝言を蓄積できます。なお、ダイアル式電話での利用はできません。伝言の録音・再生時の通話料のみが必要となります(センタ利用料は無料)。ただし、避難所等に設置される特設公衆電話からの利用は無料となります。
伝言携帯電話の災害用伝言板では100文字程度の伝言登録ができます。
災害用伝言ダイアルの利用方法(PDFファイル)はNTT東日本のホームページからダウンロードできます。災害用伝言板サービスの利用方法については携帯電話各社のホームページで確認してください。 |
| この外に電子メールの利用も考えられます。メールは、テキスト送信であれば、パソコン⇔携帯電話の双方向で利用できます。また、携帯で撮影した画像データも添付できますので状況報告に役立ちます。 |
| 4.2.5 従業員以外の帰宅困難者への対応 |
| 従業員以外に、来客・訪問者の中にも帰宅困難者が発生する可能性があります。この場合も従業員と同様に、帰宅困難者に対しては、必要な災害情報及び帰宅情報等の提供、食料、水など必要物資の提供等の支援を行う必要があります。いたずらに帰宅しないように、被災地域の危険情報を提供して、2次災害の防止に務めます。 |