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地震災害のシナリオ地震災害のシナリオ

1. 地震災害のシナリオ

そんなに遠くない時期に、首都圏で発生する可能性がある地震として首都直下地震が考えられています。
内閣府中央防災会議は、地震災害のシナリオとして、首都直下地震について被害想定のシミュレーションを行い、「首都直下地震対策の被害想定(概要)」(平成17年2月25日)を発表しています。
また、東京都防災会議地震部会は、地震災害のシナリオを東京都に特化した「首都直下地震による東京の被害想定(最終報告)」(平成18年3月)を発表しています。東京都の場合は中央防災会議より細かいシミュレーションを行っています。
ここでは地震災害のシナリオとして、中央防災会議の被害想定シミュレーション概略を説明します。東京都区部のライフライン被害想定は、東京都防災会議地震部会の最終報告から引用しました。

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1.1 地震の切迫性
まず、地震の切迫性について以下の判定をしています。
1.首都地域では、200〜300年間隔で発生する関東大震災クラス(M8)の地震については、今後100年以内に発生する可能性はほとんどないことから切迫性がない。
2.この間に、M7クラスの直下地震が数回発生する可能性がある。

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1.2 被害想定の前提条件
被害想定の前提条件
@ 18タイプの地震動を想定
・ 地震発生の蓋然性や被害の広域性から検討の中心となる地震は、東京湾北部地震(フィリピン海プレートと北米プレートとの境界の地震)
・ 人的被害が最大となる地震は、都心西部直下の地震(地殻内の浅い地震)
A 4つのシーン(冬朝5時、秋朝8時、夏昼12時、冬夕方18時)を設定
B 風速は3m/s(阪神・淡路大地震)と15m/s(関東大震災)の2パターンを設定

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1.3 首都直下地震の被害想定(東京湾北部地震M7.3)
1.3.1 建物被害、人的被害
18タイプの地震動中、建物全壊棟数が最大となるのは東京湾北部地震(約85万棟)。
死者数が最大となるのは都心西部地震(約13、000人)。
表2.1 建物被害、人的被害(東京湾北部地震M7.3)
被害項目 冬夕方18時 風速15m/s 冬朝5時 風速3m/s
●建物全壊棟数・火災焼失棟数 約85万棟   約23万棟  
火災焼失 65万棟 77% 4万棟 17%
揺れ 15万棟 18% 15万棟 64%
液状化 3.3万棟 4% 1.2万棟 5%
瓦礫発生量 約9,600万トン   8,300万トン  
●死者数 約11,000人   約5,300人  
火災 6,200人 57% 70人 1%
建物倒壊 3,100人 28% 4,200人 80%
急傾斜地崩壊 900人 8% 1,000人 19%
ブロック塀等の倒壊等 800人 7%    
交通被害 200人 2%    
●負傷者数(重症者含む) 210,000人   160,000人  
重症者数 37,000人   17,000人  
1.3.2 経済被害
表2.2 経済被害(東京湾北部地震M7.3)
被害項目 被災地域内 国内(被災地域外) 海外
物的被害 直接被害(復旧費用) 66.6兆円
建物被害 55.2兆円
その他資産、インフラ被害 11.4兆円
   
人的被害 間接被害(生産額の低下) 39.0兆円
首都の経済中枢 機能支障 13.2兆円 25.2兆円 0.6兆円
交通ネットワーク 機能障害 間接被害(交通寸断による機会損失・時間損失) 6.2兆円  
1.3.3 避難者
最大約700万人(そのうち避難所生活者は役460万人) 東京湾北部地震M7.3 18時、風速15m/s
表2.3 避難者(東京湾北部地震M7.3)
経過日数 総計 避難所生活者 疎開者
1日後 約700万人 約460万人 約240万人
4日後 約600万人 約390万人 約210万人
1ヶ月後 約410万人 約270万人 約140万人
1.3.4 帰宅困難者
1都3県で約650万人(うち東京都で約390万人)。 地震タイプによらない。
「表2.4 帰宅困難者(東京湾北部地震M7.3)」を参照。
表2.4 帰宅困難者(東京湾北部地震M7.3)
地 域 昼12時 朝5時
1都3県 約650万人 約16万人
東京都 約390万人 -
23区 約350万人 -
帰宅困難者:各地区の滞留者のうち、帰宅までの距離が遠く、徒歩による帰宅が困難な人。
1.3.5 ライフライン施設被害
「表2.5 ライフライン施設被害による供給支障」を参照。
表2.5 ライフライン施設被害による供給支障(東京湾北部地震M7.3)
ライフライン施設 供給支障 支障率
1都3県 東京都
電力 停電軒数 約160万軒 6.10% 12.90%
上水道 断水人口 約1,100万人 25.70% 33.30%
ガス 供給停止軒数 約120万軒 12.30% 19.00%
通信(固定電話) 不通回線数 約110万回線 4.80% 9.30%
支障数は、発災1日後の供給対象数に対する供給停止数の割合。
地下埋設物である上水道およびガスは復旧に時間を要する。
各事業ごとに復旧作業の過程が異なっているため、復旧日数は異なっている。
1.3.6 東京都区部でのライフライン被害想定(東京都防災会議地震部会)
東京都区部でのライフライン被害想定を「表2.6 ライフライン被害総括表(東京湾北部地震M7.3)」に掲載しました。東京都防災会議地震部会が作成した報告書から抜粋しました。
表2.6 ライフライン被害総括表(東京湾北部地震M7.3) 風速6m/s
電力
(停電率)
通信
(不通率)
ガス
(供給停止率)
上水道
(断水率)
下水道
(管きょ被害率)
千代田区 6.1 0.9 59.4 37.4 23.4
中央区 11.2 1.6 100.0 68.7 28.8
港区 8.6 1.8 20.4 35.1 23.1
新宿区 13.2 7.7 0.0 30.4 19.8
文京区 15.9 3.8 0.0 35.2 22.5
台東区 27.6 4.8 0.0 65.2 29.5
墨田区 48.6 17.6 100.0 79.5 31.8
江東区 38.2 13.2 100.0 78.8 30.4
品川区 20.5 9.9 0.0 36.1 23.1
目黒区 25.1 20.2 0.0 28.1 21.7
大田区 27.3 23.4 48.9 52.5 27.3
世田谷区 16.9 15.1 0.0 25.5 19.9
渋谷区 15.0 8.3 0.0 31.4 22.1
中野区 24.5 28.0 0.0 25.3 22.0
杉並区 18.5 18.2 0.0 22.1 20.7
豊島区 13.1 4.9 0.0 31.4 20.1
北区 27.0 21.8 0.0 46.5 24.5
荒川区 43.3 30.6 0.0 69.8 29.1
板橋区 8.2 2.6 0.0 33.7 22.5
練馬区 11.1 9.3 0.0 28.4 18.1
足立区 28.6 9.7 21.8 73.2 31.2
葛飾区 44.9 38.4 71.5 73.7 32.7
江戸川区 37.1 27.7 71.1 73.3 30.5
区部計 22.9 13.2 22.9 46.3 25.4
(単位:%)
出典:首都直下地震による東京の被害想定(最終報告)(東京都防災会議地震部会)

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2. 関連機関等へのリンク

内閣府 中央防災会議
内閣府 防災情報ページ
東京都防災ホームページ

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参考資料

  1. 中央防災会議「首都直下地震対策専門調査会」(第12回)地震ワーキンググループ報告書、地震ワーキンググループ、2004年11月17日
  2. 首都直下地震対策にかかる被害想定結果について、2004年12月15日、2005年2月25日(一部改定)
  3. 首都直下地震被害想定(概要)
  4. 首都直下地震による東京の被害想定(最終報告)T本編、東京都防災会議地震部会、2006年3月
  5. 首都直下地震による東京の被害想定(最終報告)U資料編、東京都防災会議地震部会、2006年3月
  6. 首都直下地震による東京の被害想定(最終報告)V手法編、東京都防災会議地震部会、2006年3月

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